2009年02月13日up 学会雑誌 第65巻2号掲載

第65回日本放射線技術学会総会学術大会 合同特別企画トークショー 「多重がん」撃退中!~がんなんてなによ~

学会長 小寺 吉衞、大会長 小水  満
4月17日(金) 17:00~18:00 (国立大ホール)
ゲスト: 大空 眞弓(女優)     
川島 博子(金沢大)    
小山 智美(聖路加国際病院)
司 会: 山田 章吾(東北大)    
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◆ プロフィール ◆
大空 眞弓(おおぞら まゆみ)
女優.本名・中田佐智子.1940年 3月10日生まれ.東京都出身.AB型. 1958年,東洋音楽学校(現・東京音大付属高校)を卒業後,新東宝に入社,近江俊郎監督「坊ちゃん天国」でデビュー.その後,東京映画と専属契約を結び,喜劇「駅前シリーズ」のほか,「六條ゆきやま紬」などに出演.1963年,TBSの東芝日曜劇場「忍ぶ川」で日本放送作家協会女性演技賞を受賞.翌1964年,同「愛と死をみつめて」が大ヒット,茶の間の人気を不動のものとし,“視聴率20%女優”の一人に数えられた.初舞台は1962年の「黒蜥蜴」.1990年には「人生はカタコト列車に乗って……」で第15回菊田一夫演劇賞を受賞.その後も主に舞台を中心に活躍を続けている.
◆ 著書 ◆ 大空眞弓 「多重がん」 撃退中! がんなんてなによ 6502mayumi2
「どこに出るか,モグラ叩きみたいよ」
女優,大空眞弓さんが,自らの“多重がん”の日々を『大空眞弓「多重がん」撃退中!』(宝島社 大谷克弥,大野秀樹監修)で告白している.4 度にわたるがん早期発見→処置の繰り返しを「モグラ叩き」と呼ぶなど,天性の明るさで乗り切る様子は,多くの人に勇気を与える.
多重がんとは,転移でなく,それぞれ原発性のがんが次々と発生するもの.大空さんは1998年11月に告知された乳がんに始まり,2 度の胃がん,2003年7月に食道がんと約5年で 4度も体験. いずれも人間ドックの検診で発見,初期のため自覚症状はほとんどなかったという.
 「食道のときは一寸辛かったですね,10日間ほど何も食べられなかったんですけど,でももともと食が細かったから….検診は多くても年に2回,行かなかったこともあるし,タイミングがよかったのよね」と振り返る.
ただ,乳がんでは左の乳房を切除,胃がんでは粘膜切除のため,潰瘍で入院が長引き,食道がんでは内視鏡による分割切除が前後6回に及ぶなど,聞いているだけで治療の苦しみが伝わる.
「一度引き受けた仕事をおいそれと休む訳にはいかない」と仕事をしながらの入院生活に.
それでも天性の明るさを発揮.乳がんの手術痕に「鮮やかな切り方ですねえ.畳職人みたい」と評し,食道がん後「好きな親子(丼)が(口に)入んなかったのがつらかったぁ(笑)」.
何より,「私はがんにはなるもの,あとはどこに出るかって思ってた.モグラ叩きみたいよ.どこでも来いって感じ」という考え方.というのも大空さんは,29歳で胃がんで亡くなった姉のほか,両親,異母妹もがんを発症し,自分も…という覚悟があったという.
がんには「とにかく早期発見.なったときは,なぜ私が?って振り返らず,そこから道を切り開かなきゃ.悶々としてたら,もっと悪くなる」という心構えだ.大空さんのがん撃退は続く!